4回生の振り返り〜"It's a piece of cake"〜
- 2022/01/14
- 22:10
こんにちは。
関西大学体育会弓道部4回生の中西です。
これまで変なブログばかりですみません。今回は最後なので普通のやつです。
長いので小分けで読むことをお勧めします。
「おっ、さっきの子やん」
忘れもしない人海勧誘。僕は関大裏在住のため帰路で弓道場の前を通ってしまいました。昼間三度受け流した弓道部の魔の手が喉元に迫ります。まぁ逃げられるはずがなく、両端を固められてそのまま弓道体験へ。これが案外ワクワク。そんで「大的満員やからむずいけどこっちで」と尺二寸コースにご案内。中る中る。褒め褒め。図に乗る。あまりにチョロい。流れで壺とか買ってたんじゃないか?たったこれだけで夢のキャンパスライフが筆粉まみれになったんだからひどい話です。で、そのまま流れでなぜかメン練まで見ることに。勧誘の流れでメン練フルで見た人なんて史上初なんじゃないでしょうか。帰れないよあんな空気。この時から知らず知らず弓道沼に引きづり込まれてたんでしょうか。これから勧誘する時の参考にでもしてください。
そんでなんやかんや入部。ただ初期の頃は何度後悔したことか。練習はずっと楽しいけど、とにかく試合の日がつまらん。仕事だけして、道場の壁を見るだけなんて状況もちらほら。時効だから言いますけど、僕は感動を共有するという考えからかけ離れた奴でした。まさに青二歳。でも、一部の人は自分もそうやったと思い当たる節があるのではないでしょうか。
そんな僕が変われたのは他でもない満壽さんのおかげです。あの人がどう思ってるかは知らんです。僕が勝手に尊敬してるだけなので。言わずと知れた部の歴史にべっちょり名前を残しているお方です。夜残って練習することが多かったので指導は勿論のこと、(先輩の)メン練後の休憩中や閉め後など様々なタイミングで雑談に乗ってもらいました。動物が最初に目にしたものを親だと認識する習性があるように、僕は初めて仲良くなったあの先輩に懐いてしまった訳です。これがなぜ変われたに繋がるのか。簡単な話です。仲良い先輩が大活躍してたらなんか嬉しくて見入っちゃうでしょ。普段しょーもない話にも乗ってくれる人が弓引いたら他を圧倒するんです。その魅力に取り憑かれてからは試合を苦痛に感じることが少なくなっていきました。満壽さんうめぇ〜→あの先輩もうめぇ〜→相手もうめぇ〜みたいな感じで。でも、自分も早くその場で引きたいから見るだけの時間はやっぱりもどかしい。しゃーないですね。かっこいい人達に追いつくために練習量増やしたり、射を見てもらいにいったり、見事に弓道沼にズボリと。
全部話すとキリがないので、続いて僕の弓道生活最大の壁について語ろうと思います。それは自分の射が好きになれないことです。毎度自分の試合や立ちの動画を見返して、ほんま下手くそやなぁと思ってしまいます。なので僕の携帯には射の動画とかほとんど残ってません。肩線揃わん、離れ緩む、早気、、こうして挙げだすと止まらなくなってしまうのです。これらは射の追求と呼ぶには烏滸がましい、ただのネガキャンみたいな要素を多分に含むんですが。そんで上手い人の射を見ることが好きになったせいで、己に対する要求の高まりに拍車をかける結果に。なんて可哀想なんだ。
でもいざ振り返ってみると嫌いでよかったとも思えるんです。心底嫌いだから一刻も早く欠点消すために練習し続けましたし、高的中が出ても満足することなく射の改善に向かうことができてました。そのせいで長期間的中を安定させられないみたいなことはよく起こってたのですが。メン練に参加する時はいつも「俺がこん中で一番下手やねんから調子乗らんとこ」と本気で考えてました。僕が4年間頑張れたのはこの越えられない壁が延々と立ち塞がってくれたからです。ほんま憎いやつ。お前なんか蹴ったら一発やからな?優しいからせんだけや。
プラス気味にも書きましたがやっぱり嫌いなものは嫌いです。4年間悩まされたからこそ好きになって報われたかった。全国レベルの選手を見てるとどこか「俺の射を見ろ!」と訴えかけて来るような凄みがあります。それが経験に裏打ちされたものなのか、その人が生来持つものなのかはわからないですが、そういう選手が記録を残すし、勝っていくのだと感じます。自分もあんな風になりたかった。くっ、
こんな後悔ばかりの僕ですが、間違いなく環境には恵まれていました。まずは先輩方。本当に良い人ばかりで弓道も上手い。僕は先輩と冗談言い合ってる時間が最高に好きで、道場に行くのが毎日楽しみでした。この文で気分良くなったので差し入れ山盛りくれるでしょう。良かったな後輩達。
そんで同期。特に、あんま言ってなかったけど冨田にはとても感謝してます。僕が二足歩行になる前から試合で活躍して、射も堂々と迫力のある彼。最初は同期初心者の出世者として喜んでたけど、すぐに焦りになり、嫉妬になり、そしてリスペクトになっていきました。2019年の王座で弓を引く冨田(井上、吉田も)を見てどんだけ無力感とモチベを与えられたことか。
他にも恵まれ要素だらけですが、内容が被りそうなのでここいらにしておきます。
ここからは四方八方にメッセージを。
後輩へ
冗談抜きで僕より上手い子ばかりだと思っています。僕は下回生の時期、結構野放しで育った時間が多いので、細かい癖とか多く残ってしまいました。そんな奴でもあの程度の成績は残せるので、新監等から丁寧に基礎を叩き込まれている君達なら、いずれもっと良い結果を出せる筈です。試合で活躍したら気持ちいいぞー。3回生は特に付き合いが長かったので、活躍する姿を一番楽しみにしています。コロナもあり、対面で指導とかあまり出来なかった子もいますが、ちゃんと応援してるので、みんな頑張ってください。
同期へ
かなり人数は減ったけど、なんだかんだ卒部まで辿り着けてよかったです。特に二監の人達、変なリーダーで申し訳なかった。本当に助けられました。またなんかの機会になんかできたらいいなとなんとなく思っています。4年間ありがとう。
最後に、監督・コーチ、OB・OG、関係者の皆様、家族、様々な助けがあったからこそ弓を続けることができました。本当に感謝しています。
さて、僕は「常に心にゆとりを持つ」を抱負として入部式で掲げ、周りに比べてなんとも緩い抱負だなぁと張本人ながら感じた記憶があります。しかし、今振り返ると割と良いセンスだと感心します。追い詰められて弓道するより、ゆとりを持ってどんな状況にも慌てず動じずが大切だと学びました。そっちの方がやってて幸せだと思いますし。
これを考えながら付けたタイトル"It's a piece of cake"は「宇宙兄弟」という作品で知った有名な言葉で、「朝飯前・楽勝」的な意味でよく使われています。弓道生活も終わってしまえば、しんどかった出来事も所詮過去なので大したことありません。例えば射癖も素直になれば簡単に治せるものだらけです。試合で活躍することだって、それまでに積み上げた練習を思えば朝飯前なはず。余裕って大切です。
締め方が変ですが、これもまた良きかな。
それでは。
関西大学体育会弓道部
二回生監督リーダー 中西啓
4回生 経済学部 初心者
関西大学体育会弓道部4回生の中西です。
これまで変なブログばかりですみません。今回は最後なので普通のやつです。
長いので小分けで読むことをお勧めします。
「おっ、さっきの子やん」
忘れもしない人海勧誘。僕は関大裏在住のため帰路で弓道場の前を通ってしまいました。昼間三度受け流した弓道部の魔の手が喉元に迫ります。まぁ逃げられるはずがなく、両端を固められてそのまま弓道体験へ。これが案外ワクワク。そんで「大的満員やからむずいけどこっちで」と尺二寸コースにご案内。中る中る。褒め褒め。図に乗る。あまりにチョロい。流れで壺とか買ってたんじゃないか?たったこれだけで夢のキャンパスライフが筆粉まみれになったんだからひどい話です。で、そのまま流れでなぜかメン練まで見ることに。勧誘の流れでメン練フルで見た人なんて史上初なんじゃないでしょうか。帰れないよあんな空気。この時から知らず知らず弓道沼に引きづり込まれてたんでしょうか。これから勧誘する時の参考にでもしてください。
そんでなんやかんや入部。ただ初期の頃は何度後悔したことか。練習はずっと楽しいけど、とにかく試合の日がつまらん。仕事だけして、道場の壁を見るだけなんて状況もちらほら。時効だから言いますけど、僕は感動を共有するという考えからかけ離れた奴でした。まさに青二歳。でも、一部の人は自分もそうやったと思い当たる節があるのではないでしょうか。
そんな僕が変われたのは他でもない満壽さんのおかげです。あの人がどう思ってるかは知らんです。僕が勝手に尊敬してるだけなので。言わずと知れた部の歴史にべっちょり名前を残しているお方です。夜残って練習することが多かったので指導は勿論のこと、(先輩の)メン練後の休憩中や閉め後など様々なタイミングで雑談に乗ってもらいました。動物が最初に目にしたものを親だと認識する習性があるように、僕は初めて仲良くなったあの先輩に懐いてしまった訳です。これがなぜ変われたに繋がるのか。簡単な話です。仲良い先輩が大活躍してたらなんか嬉しくて見入っちゃうでしょ。普段しょーもない話にも乗ってくれる人が弓引いたら他を圧倒するんです。その魅力に取り憑かれてからは試合を苦痛に感じることが少なくなっていきました。満壽さんうめぇ〜→あの先輩もうめぇ〜→相手もうめぇ〜みたいな感じで。でも、自分も早くその場で引きたいから見るだけの時間はやっぱりもどかしい。しゃーないですね。かっこいい人達に追いつくために練習量増やしたり、射を見てもらいにいったり、見事に弓道沼にズボリと。
全部話すとキリがないので、続いて僕の弓道生活最大の壁について語ろうと思います。それは自分の射が好きになれないことです。毎度自分の試合や立ちの動画を見返して、ほんま下手くそやなぁと思ってしまいます。なので僕の携帯には射の動画とかほとんど残ってません。肩線揃わん、離れ緩む、早気、、こうして挙げだすと止まらなくなってしまうのです。これらは射の追求と呼ぶには烏滸がましい、ただのネガキャンみたいな要素を多分に含むんですが。そんで上手い人の射を見ることが好きになったせいで、己に対する要求の高まりに拍車をかける結果に。なんて可哀想なんだ。
でもいざ振り返ってみると嫌いでよかったとも思えるんです。心底嫌いだから一刻も早く欠点消すために練習し続けましたし、高的中が出ても満足することなく射の改善に向かうことができてました。そのせいで長期間的中を安定させられないみたいなことはよく起こってたのですが。メン練に参加する時はいつも「俺がこん中で一番下手やねんから調子乗らんとこ」と本気で考えてました。僕が4年間頑張れたのはこの越えられない壁が延々と立ち塞がってくれたからです。ほんま憎いやつ。お前なんか蹴ったら一発やからな?優しいからせんだけや。
プラス気味にも書きましたがやっぱり嫌いなものは嫌いです。4年間悩まされたからこそ好きになって報われたかった。全国レベルの選手を見てるとどこか「俺の射を見ろ!」と訴えかけて来るような凄みがあります。それが経験に裏打ちされたものなのか、その人が生来持つものなのかはわからないですが、そういう選手が記録を残すし、勝っていくのだと感じます。自分もあんな風になりたかった。くっ、
こんな後悔ばかりの僕ですが、間違いなく環境には恵まれていました。まずは先輩方。本当に良い人ばかりで弓道も上手い。僕は先輩と冗談言い合ってる時間が最高に好きで、道場に行くのが毎日楽しみでした。この文で気分良くなったので差し入れ山盛りくれるでしょう。良かったな後輩達。
そんで同期。特に、あんま言ってなかったけど冨田にはとても感謝してます。僕が二足歩行になる前から試合で活躍して、射も堂々と迫力のある彼。最初は同期初心者の出世者として喜んでたけど、すぐに焦りになり、嫉妬になり、そしてリスペクトになっていきました。2019年の王座で弓を引く冨田(井上、吉田も)を見てどんだけ無力感とモチベを与えられたことか。
他にも恵まれ要素だらけですが、内容が被りそうなのでここいらにしておきます。
ここからは四方八方にメッセージを。
後輩へ
冗談抜きで僕より上手い子ばかりだと思っています。僕は下回生の時期、結構野放しで育った時間が多いので、細かい癖とか多く残ってしまいました。そんな奴でもあの程度の成績は残せるので、新監等から丁寧に基礎を叩き込まれている君達なら、いずれもっと良い結果を出せる筈です。試合で活躍したら気持ちいいぞー。3回生は特に付き合いが長かったので、活躍する姿を一番楽しみにしています。コロナもあり、対面で指導とかあまり出来なかった子もいますが、ちゃんと応援してるので、みんな頑張ってください。
同期へ
かなり人数は減ったけど、なんだかんだ卒部まで辿り着けてよかったです。特に二監の人達、変なリーダーで申し訳なかった。本当に助けられました。またなんかの機会になんかできたらいいなとなんとなく思っています。4年間ありがとう。
最後に、監督・コーチ、OB・OG、関係者の皆様、家族、様々な助けがあったからこそ弓を続けることができました。本当に感謝しています。
さて、僕は「常に心にゆとりを持つ」を抱負として入部式で掲げ、周りに比べてなんとも緩い抱負だなぁと張本人ながら感じた記憶があります。しかし、今振り返ると割と良いセンスだと感心します。追い詰められて弓道するより、ゆとりを持ってどんな状況にも慌てず動じずが大切だと学びました。そっちの方がやってて幸せだと思いますし。
これを考えながら付けたタイトル"It's a piece of cake"は「宇宙兄弟」という作品で知った有名な言葉で、「朝飯前・楽勝」的な意味でよく使われています。弓道生活も終わってしまえば、しんどかった出来事も所詮過去なので大したことありません。例えば射癖も素直になれば簡単に治せるものだらけです。試合で活躍することだって、それまでに積み上げた練習を思えば朝飯前なはず。余裕って大切です。
締め方が変ですが、これもまた良きかな。
それでは。
関西大学体育会弓道部
二回生監督リーダー 中西啓
4回生 経済学部 初心者
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