こんにちは。
関西大学体育会弓道部4回生の森千都歩です。
昨シーズンが終わってから二ヶ月が経とうとしています。先日、そろそろしなければなぁと筋トレを再開したところ、余裕でできたはずの負荷で体がガタガタになり、衝撃を受けました。
筋肉は裏切らないと信じているので、また体作りを始めて帰ってきてもらいますが、地道に筋トレや矢数をかける大切さを知りました。
同期たちが書いた引退ブログを読むと、すごい人たちと四年間過ごしていたことを改めて知るとともに、卒部までもう少しなんだと感傷的な気持ちにもなりました。私もお世話になった方々に感謝の気持ちをお伝えできるよう、心を込めて書かせていただきます。
四年前、私は関西大学にSF生として入学しました。「私なんかが大丈夫かなぁ」と不安いっぱいだったことを覚えています。入部後はなんとか中たる人たちについていこうとしましたが、試合に出していただいても結果が出せず、それどころか公式戦で何度も失敗してしまい、悔しさすら輝いて見えるほど沈んだ感情で下回生のかなり長い期間を過ごしました。失敗から立ち直らずに自分を責め続けているなんて甘ったれてるなぁと自分でも思いますが、弱かった当時の私は日々を耐えることでいっぱいいっぱいでした。
そんな自分が変わっていったのは、当時の主将が本気で勝とうとしているのを感じていたことと、同期が必死に練習して少しずつ結果を出していくのを隣で見ていたからです。こんなに頑張ってる人の横で燻っていてはいけないと行動を恥じ、憧れるこの人たちと勝利を掴みたいと本気で思いました。「もう失敗したくない」という下向きで自分本意な考えから脱却し、自分の目標に加えて「誰かのために引く」という気持ちにもなれたとき、世界が広がった気がしました。
そんなこんなで二回生時のリーグにはリリーフで二度出場させていただきましたが、その年女子は王座に進めず、来年は絶対に自分が出て勝つんだと最後の円陣で心に誓いました。しかし、それから私が試合に出ることはなく、 三、四回生では試合に出る同期と後輩の数歩後ろで介添えをしていました。
試合で引いて的中を出すことを目標にしていたので、過去の自分ならこの四年間を振り返って「私はダメだった」と片付けていたと思います。しかし、この部で物事は○と×だけで捉えず、さらに分析して、良かったこと悪かったこと、その理由、、ちゃんと深掘りすれば失敗は成功に繋がる糧になると知りました。だから、下回生でしてしまった失敗を決して無駄にしないよう、そこに立たせてもらったことの意味を噛み締めて昨年のチームに活かしました。成長する難しさを知った私だからこそ、「勝つためにはどうしたらいいのだろうか」という問いに挑み続けました。
結果は前述の通り私が試合に出ることも、男女ともに日本一になることも叶いませんでしたが、私が日本一を目指す理由に「日本一の景色を見ることでもっと部を強くする」というものがあったので、十人十色の考え方を持つ人が、勝ちたい!という共通認識のもと学年立場関係なく意見を出しあい、「前向き」をどんなときも大切にしたあのチームは、間違いなく強く、100点ではありませんでしたが果たせた部分も多くあったと思います。人が自分の持つ力以上を発揮しようとするところを何度も見てきました。本当に感動しました。介添えという一番近いところから選手たちを見ていた私は、どんなに幸せ者だったか、、当時の自分に教えてやりたいです。笑
私自身も、賞状やトロフィーのような結果だけでなく、中身を大事にすることができるようになったのは大きな成長です。試合に出れなかったことに後悔がないかと言われると、自分がそのレベルになるまでの努力が足りなかったことや、素直に上手くなりたかったという悔しさはあります。でも、下回生の頃より、うわべだけでなく心の奥も逃げずに部や弓に向き合えるようになったし、自分に嘘をつくこともなくなりました。自分のことばかり考えることもなくなって、人に謝罪より感謝することもできるようになりました。当たり前のことですが、恥ずかしながらできなかったのです…。この四年間で成長してやっとできるようになりました。
今、一旦弓を置き今までとは少し違う視点で関大弓道部を見てみると、本当に恵まれた環境にいたことに気づかされます。「頑張りたい」と言えば「頑張れ」と、OBOGの方々、大学関係者の方々が支えてくださり、猪尾監督と宮本コーチは、部のことを相談をさせたいただくと、真剣に話を聞き、導き、ときに叱ってくださりました。
また、先輩との繋がりは強いものでした。最高学年になるまでの三年でさせていただいた経験や、先輩にもらった言葉を自信にしたり後輩に伝えたりと、先輩方に見せていただいた景色はどの一瞬も大事なものです。
そして、チームの有り難み。ライバルであると同時に理解者でもあったチームの中にいると、全力からのもう一歩を踏み出して部に尽くそうと思い続けることが極自然にできました。みんなそうだったと思います。
今まで泣いたり笑ったり、「感動」だけでなく、たくさんの感情をみんなで共有してきましたが、こんな環境にいれることはもう一生ないと思うとなんだか寂しいです。どこかでみんなとこの先も繋がっていれたらと思います。
同期のみんな、連絡しても無視しないでね!困ったことがあったら駆けつけるから呼んでね!
完璧とは言えない私でしたが、たくさんフォローしてくれた同期のお陰でやりきることができました。みんなありがとう!
最後に、後輩たちに一つアドバイスをして締め括りたいと思います。
今どんな状況の人にも、読書をおすすめします。
弓道の本、メンタルやフィジカルトレーニングの本、スポーツ選手やそのコーチが書いた本といった勝利や技術向上を目的とした本も、フィクションや歴史物といった直接は弓道に関係のない本、なんでもいいし何冊でもいいです。
20年前後しか生きていない私たちにとって、本は間違いなく教科書となります。自分で調べるには一生かけないと分からないことも、味わったことのない感情も、会ったことのない人の思考も、本の中には無限に広がっています。私は自粛期間中、本を読んだことが間違いなくその後に役に立ちました。日本一への挑戦者のみんなの前には越えなければいけない壁がまだまだありますが、自分やその周囲だけで頭を悩ませず、もっと多くを知る人(本)から色々教えてもらってください。
文章を書いていて思ったのですが、部のためにと言いつつも、結果的に助けられたり成長させてもらったりと、それらは全部私に返ってきていたのですね…!
卒部の先に不安がないと言えば嘘になりますが、この四年間で得たものを心に、入部時の目標だった日々精進!も一生忘れずに、新たな一歩踏み出します。
四年間、本当にありがとうございました。
まだこれからが寒いときですが、ご自愛ください。
現役生のみんなは筋トレもしてくださいね😊
関西大学体育会弓道部
女子主将 森 千都歩
社会学部 4回生 経験者
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